『野火』ー戦争の悲しさー

先日『野火』という塚本晋也監督の作品を鑑賞。大岡昇平が原作の戦争映画で、第二次世界大戦中のフィリピンに出兵した兵隊たちを描いた作品。作品は原作者の自伝的小説であり、作者の戦時下での過酷な経験や印象が深く刻み込まれている。 主人公、田村一等兵…

ザ・トライブ:無音の中から生成する騒音

このあいだ、『ザ・トライブ』という映画を観た。セリフも字幕も音楽もなし、ということで公開前から割と話題になっていた作品。セリフがない、というのは映画の舞台が聾学校であるため、全員が手話で会話を行うからです。 寄宿制の聾学校に転校してきた主人…

煩悩から抜け出せるのだろうか(『親鸞とキェルケゴールにおける「信心」と「信仰」』)

スザ・ドミンゴス著『親鸞とキェルケゴール…』という本を図書館で借りてみました。著者は南山大学准教授らしいのですが、経歴では大谷大学で真宗学の博士号を取得しているみたいです。南山大学はキリスト教系の大学なので、神学と仏教学(真宗学)を両方学ん…

孤独な天才、『イミテーション・ゲーム』

ベネディクト・カンバーバッジ主演の『イミテーション・ゲーム』を観ました。なぜかというと、いま同性愛要素が入った映画がマイブームなので、それらしきものを見つけたらとりあえず観ることにしているからです。『イミテーション・ゲーム』は話題になって…

『海街diary』

先日『海街diary』を観てきた。あるラジオで「とりとめがなくて、大きな出来事もなく、ただ流れていく感じの映画」と聞いた。それは恐らく悪い意味での感想ではなかったんだろうけど、観た感じでは逆に良い意味でただ流れていくような映画ではないと思った。…

諸星大二郎『夢見村にて』

諸星大二郎の「妖怪ハンター」シリーズの『夢見村にて』を購入。以前から友人に勧められていた諸星大二郎の作品だったが、なんで今まで読まなかったのだろうというくらい最高だった。収録されているのは「夢見村にて」と「悪魚の海」。 「夢見村にて」は主人…