孤独な天才、『イミテーション・ゲーム』

ベネディクト・カンバーバッジ主演の『イミテーション・ゲーム』を観ました。なぜかというと、いま同性愛要素が入った映画がマイブームなので、それらしきものを見つけたらとりあえず観ることにしているからです。『イミテーション・ゲーム』は話題になってたからその存在は知っていたけど、同性愛要素があるのは知らなかった。

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あんまりかっこいいって思ったことなかったけど、映画みたらベネディクト・カンバーバッジがめっちゃカッコよくみえて、ハマりました。特徴のある顔してて、日本人でいうと堺雅人みたいな感じがする...堺雅人はあまりタイプではないけれど、ベネ様はよかったです。

 

天才数学者アラン・チューリング第二次世界大戦中に解読不能といわれたナチス・ドイツ軍の暗号「エニグマ」の解読に挑む話。このアラン・チューリングは実在した人物であり、実際にエニグマの解読に成功したといわれています。エニグマの解読自体は極秘だったため、その事実やアラン・チューリングの名前は世間に公表されてなかったそうで、彼の名前はその功績にも関わらずあまり知れ渡ってはいないそう。詳しいことはこの記事に書いてありました。(https://www.bbcworldnews-japan.com/uk_topics/view/0000268

 

しかし、物語を紡ぐのは「エニグマの解読」という目的に沿った単線ではなく、彼のパーソナリティ、特に「性的指向」という横糸もそこに存在しています。彼の学生時代の回想シーン、いじめられっ子だったアランに優しくしてくれていた同級生との思い出シーンが所々に挿入されていて、それが伏線となって、エニグマの解読を中心としつつも彼のひとつの生涯をうまく描いていると思いました。

 

最終的にゲイだということが警察にバレて、刑務所行きor保護観察かつホルモン投与の選択を迫られ、研究を続けるためにアランは後者を選択しますが、女性ホルモンを投与することで同性愛を矯正させるっていう発想が過去にあったなんて知りませんでした。

60年前、イギリスでは同性愛が罪だったこと、知っていたけど映画で見るととても切ない気持ちになりました。自分のことを隠し通さなければならない、というかゲイであるということが今とは違って、異常な形の性欲であると認識させられることはとんでもない悲しみだったろうな。